ひびきエル・エヌ・ジー株式会社

今回の企業探訪は、ひびきエル・エヌ・ジー株式会社です。
同社は、北九州市響灘地区での大型LNG(液化天然ガス)受入基地の建設・運営を行う新会社として、西部ガスと九州電力の出資を受け、平成22年4月、福岡市に設立されました。
響灘地区のLNG基地は、平成22年11月より着工し、現在は大型LNG船が入港するための浚渫工事やLNGタンク工事等が行われています。
この基地建設に関する関係機関との折衝や事業計画等を行っている山中部長にLNG基地の概要などについておうかがいしました。

ひびきエル・エヌ・ジー株式会社 業務部長 山中 敦嘉氏
聞き手:北九州市産業経済局産業誘致部長 西田 幸生

※文中の名称は敬称略とさせていただきます。

※拡大図は文末を参照

西田:LNG基地としては、九州で最大規模になるそうですね。まずは、基地の概要からお聞かせいただけますか?

山中:LNGはマレーシアなどから仕入れるのですが、世界最大級の大型LNGタンカーが入港できる基地になる予定です。当然、運んでくるLNGも大量ですから、貯蔵タンクは容量18万キロリットルの大型ものを2基建設しています。高さが54m、外径は83mほどのタンクで、大型旅客機が上下に2機おさまる大きさなんですよ。
基地の敷地としては、32万5千㎡。福岡Yahoo!Japanドームの約5倍の広さになります。

※拡大図は文末を参照

西田:大きさの例えに大型旅客機、福岡Yahoo!Japanドームが出てくるあたり、本当に大規模だということがよく分かります。この基地の建設に至った経緯や目的はどのようなことからだったのでしょうか?

山中:大口産業用を中心に需要の拡大が見込まれているのですが、LNGはクリーンなエネルギーですので、これに積極的に対応していくことで低炭素化社会の実現に貢献できることがまずあげられますね。
また、LNG船を小型船から大型船にすることができますので、LNG調達先の自由度も向上します。更に、これまで進めてきた高圧導管の整備とあわせて福岡県内に分散している設備を集約することで、コストの削減が図れます。主にこの3つですね。

西田:確かに需要は拡大していますから、クリーンエネルギーであるLNGで対応できるのはよいですよね。「環境モデル都市」の北九州市にもぴったりのコンセプトです。
北九州市に立地されたポイントはどういうところでしょうか?

山中:北九州市はものづくりの町ですし、今後も大口産業用分野の需要拡大が見込まれると思いました。また、大型LNG船の受け入れができる港湾や、あとは都市高速等のインフラが整っているところもポイントでしたね。建設できる敷地の広さが十分確保されていたことも大きな要素です。

もちろん、もともと西部ガスの高圧導管に近接しているという理由もあったのですが(笑)
あとは、過去に大きな地震や津波の被害がないことでしょうか。
西田:私たちが日ごろ企業のみなさまにPRさせていただいていることばかり(笑) 北九州市の特性をかっていただきうれしい限りです。
これだけ大きな設備ですから、東日本大震災が起きたときは、地震や津波の対策について非常に気になったのではないですか?

山中:ひびきLNG基地は、平成22年11月から本格的に着工していましたが、あれほどの地震と津波を目の当たりにしましたので、LNG基地の地震・津波対策を再検討し、設計の見直しを行いました。
その見直しにより、津波の浸水対策として、基地周囲の海抜7mとなる防潮堤の設置や、重要設備の地盤の嵩上げを行うとともに、電源対策として特別高圧の「常用線」「予備線」の2回線と非常用発電機設置に加え仮設発電機を速やかに設置してバックアップできるようにします。
北部九州の広域供給拠点を目指していますので、二重三重の対策を施して、万全の体制を整えていきたいと思っています。

西田:大震災の教訓が建設に活きていますね。稼動はいつごろになる予定ですか?

山中:平成26年11月に稼動する予定です。一般のご家庭はもちろんのこと、北九州地区をはじめとする北部九州の大口産業用や、また新たに立地を計画されている企業様へもLNG、都市ガスを十分ご提供できるようになります。
ぜひ、平成26年11月に稼動までにご使用をご検討いただきたいと思います。

西田:最初のお話にもあったように、LNGは環境にやさしいですから、自信をもってお勧めすることができますね。
稼動後の雇用についても大変気になるのですが、計画はあるのでしょうか?

山中:ちょっと気の早い質問ですね(笑)まだまだ検討中です。稼動当初は、やはり知識・経験のある西部ガスの工場要員出向者がメインになると思いますが、今後は年齢構成や若いメンバーの育成を考えて、徐々に北九州市在住の若い方も採用したいと考えています。

西田:ぜひ期待しております(笑) 山中部長ご自身は、もともとどのような経歴をお持ちなのですか?

山中:学生のときは、工学部で化学工学を専攻していました。私はもともとこのひびきエル・エヌ・ジーの出資会社である西部ガス出身ですが、西部ガスでは工場系での勤務が多く、プラント運転等にも携わっていました。
昨年7月に、西部ガスの基盤整備プロジェクト部ひびきLNG基地支援室に配属された後、現在に至っています。

西田:技術屋さんなのですね。北九州市には、工業系の学校が多数あるんですよ。ぜひたくさん採用していただき、第2、第3の山中さんのような人材に育てていただきたいと思います。基地も人材も地域密着で(笑)、発展していくことを願っています。

※拡大図は文末を参照

山中:地域密着といえば、実は、基地と基地南部を含めた用地を「ひびきの森」とする計画を進めているんです。地元とは深く関わっていきたいですし、緑の中に基地をつくることで、地域のグリーンシンボルにしたいと考えています。

基地用地は、防潮風林や芝生などで緑豊かな工場にし、基地南部は、緑の回廊や市民の方も集える遊歩道を整備する計画です。社員自ら、種拾い・種まきや育苗、植樹を行いたいと思っています。
西田:北九州市の地域緑化活動とも協調するものですね。楽しみにしています。
最後に、今後の抱負をお願いできますか?

※拡大図は文末を参照

山中:世界最大級のLNG船で、LNGを世界最大級のLNGタンクに受け入れる基地の建設に携わっていくことに誇りを持つと同時に、100万戸以上のお客様へLNG、都市ガスを安定供給していくという大きな責任を感じています。

まずは、ひびきエル・エヌ・ジー社員一丸となって無事故・無災害で基地を完成させることが最大の使命ですね。そのためにも、北九州市や関係機関と情報交換や工程管理をしっかりやっていきたいと思います。基地建設に関して、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします!
西田:北九州市としても最大限の支援をしたいと思っています。本日はありがとうございました。

「基地全景」「LNGタンクのサイズ」「ひびきの森イメージ」「完成予想図」の拡大版はこちらをご覧ください。(ワード:1,903KB)

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