北九州への期待は「土木業界を元気にする人材に出会える場所」

株式会社コイシ

平成元年、大分県で誕生した株式会社コイシ様。設立から今年で30年目を迎える同社は、ユニークな土木測量支援商品を次々と開発し続け、土木測量技術の発展・向上に努めています。
また、現場での力作業が多く、男性が多いイメージを持たれがちな土木業界で女性スタッフを積極的に採用したり、在宅勤務にも柔軟に対応したりするなど、働き方改革にも積極的。北九州市では北九州開発事務所とひびきの学術研究都市に拠点を置き、ますます事業を拡大に向けて勢力をあげています。

今回は代表取締役の小原文男様から、土木業界におけるIT技術の活用方法や働き方への取り組みについてお話いただきました。

「土木の情報化を−」業界に先駆けて作業を効率化

はじめに、御社の事業について教えて頂けますか?

小原:株式会社コイシは主に土木の工事測量を行っている会社です。今までの公的業種と言えば、地質調査や測量、設計、建設と4つの分野がメインでした。そこにプラスして、新たに「工事測量」という業種を築いたのが私たちです。つまり、測量会社を作ったわけではなく、建設の中に新たな分野を作ったと思っています。

私たちは約20年前から3D技術を取り入れたシステムを提供し、土木現場での丁張がけ(※ちょうはりがけ・工事を着手する前に、建物の正確な位置を出す作業)を効率よく行えるようサポートしてきました。簡単に説明すると、独自のレーザースキャン技術で土地を撮影して3Dでシミュレーションし、図面と照らし合わせることができるシステムなのですが、利用することで着工前に安全かつ効率的な作業の進め方が分かるようになります。それまでの土木工事は途中で問題が見つかると施工が中断し、思うように作業を進められないことが多々ありました。レーザースキャンで3D図面を作成すれば無駄な作業を省けますし、自然へのダメージを減らした土木工事が行えるようになります。

土木工事というと多くの木を切り倒すなど、自然破壊という印象が強いかもしれませんが、本来の役割とは自然を豊かにしていくことなんですよ。

そのほかにも、土木業界という枠を超えて様々な取り組みを積極的に行っているようですね。

小原:全社員に向けた勉強会や講習会を定期的に開催したり、平成13年頃からは他社の代表を招聘した「コイシ塾」という講演会を積極的に行ったりしています。技術の進歩と働き方への多様化が高速に進化する今の時代、いろんな人の声や考え方を聴き、自分の視野を広げてもらいたい。そんな思いで開催をしています。

また「土木の情報化」を掲げ、図面を三次元化する技術を大分大学と共同で開発して経験が浅い人でも問題なく作業ができるようにしたり、二人で対応していた測量作業を一人でもできるようにしたりするなど、常に技術をアップデートしながら現場での困りごとを解決へと導いています。

 

北九州への期待は「土木業界を元気にする人材に出会える場所」

北九州へ進出したきっかけは何でしょうか?

小原:もともと、私は自然を守るためにも九州全土の土地を測りたいという夢を持っていました。北九州で仕事をしたいと思ったきっかけの一つが、フェイス(FAIS・北九州産業学術推進機構)の松岡俊和さんと出会ったことです。フェイスは産業技術の高度化や活力ある地域企業群の創出・育成に寄与することを目的に、産学官連携による研究開発支援や学術研究の推進等を行っています。松岡さんとの出会いで、北九州という場所に興味を抱くようになりました。そして会社の成長や事業が拡大するとともに意思が強くなり、北九州への進出を果たしました。
北九州に出る際、松岡さんに「個性豊かな、勢いのある会社を紹介してください」と伝えて。

自社で開発した3Dプリンターや、図面を入力すると立体模型化する装置以外にも、実現したい構想はまだまだたくさんありますので、北九州では勢いある色んな会社と連携して仕事をしていきたいと思っています。

北九州への進出で利点に感じた点はありますか?

小原:多種多様な人材に出会えたことでしょうか。本社を構える大分県には、安心・安全第一の慎重な基質を持った「石橋を叩いて渡る」タイプの方が多いんです。それはもちろん素晴らしいことですが、新たなことに挑戦する人がいなければ事業は動きません。
大分と比較すると、北九州に集まっている人はスピード感がある上、“やんちゃ”な部分を備えた人が多いように感じました。「もっと色んな人に会いたい」と北九州へ出てきましたので、さらなる期待に胸を膨ませています。また、北九州市内でオフィスを借りる際に地元在住の人を3人以上雇うと家賃が半額になる補助制度があるようですので、それも利用しようかと検討しているところです。そういう手当があるのも、企業側としてはありがたいことですよね。

 

利便性が高く多くの人が集まる北九州で、さらなる飛躍を

御社には女性スタッフも多く在籍されていると伺っています。

小原:全社員数66名のうち、約半数の35名が女性スタッフです。土木業界は未経験の方がほとんどですが、きめ細やかな仕事ぶりや高い能力を発揮してくれています。スタッフには子育て中のお母さんが多いため、雇用の拡大とともにリモートワークを導入して出勤日も自由に選択できるようにするなど、働きやすい環境を整備しました。

女性だけで現場を任せてみたこともありますが、現場で働く作業員へ事務所にいる女性が遠隔で指示を出したり連絡をとりあったりするのも、土木業界としては新しい試みです。こうした土木業界の印象を変えるような取り組みを積極的に行い、新しい風を巻き起こしていきたいと思っています。

一方、先述した弊社独自の3D技術は容易に身に付くものではありませんが、北九州拠点では今後、技術をしっかりと身につけた女性スタッフを増やしていこうと計画しています。地域のお母さんたちが即戦力として活躍できる職場を作っていきたいですね。

今後達成したいと考えている、北九州拠点での目標を教えてください。

小原:今はもっと人材を集めるために、博多の人材派遣会社や北九州市の高校へ働きかけている最中です。博多や北九州は利便性も高く、人が集まりやすい場所ですので、将来的にはそこでドンっと根付いていける会社でありたい。

私には九州統括という夢があり、定期的に『未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~』という講演会を開いています。土建業界を活性化させるためには、土木工事へのやりがいを見出していかなくてはなりません。人が山に入り、山川の手入れをすることで経済が循環するような仕組みを作りにはどうするべきか。その課題を大勢の人を巻き込みながら解決していきたいですね。

<プロフィール>
小原 文男(おはら・ふみお)
株式会社コイシ 代表取締役
1954年2月11日生まれ、福岡県田川郡方城出身。
長崎高島炭鉱育ち、15回の転職を経て33歳の時に大分県で独立。
昨年は一年間門司港に住んだことでリフレッシュ、
2018年の4月から3年間は博多に住む予定。

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