(財)北九州産業学術推進機構(FAIS)アジア人財資金構想

財団法人北九州産業学術推進機構 キャンパス運営センター総務企画部 担当部長 原口 清史 氏
聞き手: 北九州市産業経済局誘致課 小園主任

【文中の敬称は省略させていただきます。】

北九州産業学術推進機構(FAIS)とは

北九州市における産学官連携による研究開発や学術推進等を行うことで、産業技術の高度化や活力ある地域企業群の創出・育成に寄与することを目的に、平成13年に設置されました。具体的には、大学・研究機関と産業界のコーディネータとして、また、中小企業・ベンチャー企業の総合的支援機関として地域産業の振興に努めている財団です。

インタビュー内容

小園: 先ず、「アジア人財資金構想」について教えていただけますか。
原口:この事業は、経済産業省と文部科学省が優秀な留学生を日本に招へいし、日本企業での活躍の機会を拡大するために、産業界と大学が一体となって、留学生の募集から専門教育、日本語教育、就職活動までの人材育成を行うものです。平たく言えば、外国と日本のブリッジ人材を育てると言った事業で、平成19年度から始まりました。北九州市では、学術研究都市に立地する早稲田大学・九州工業大学・北九州市立大学の3つの大学院と企業がコンソーシアムを組んで、我々 FAISが管理法人となっています。
小園: 3つの大学が一緒に事業を行うことは一般的なのですか?
原口: この「高度専門留学生育成事業」では全国21大学が採択されていますが、3大学が共同で事業を行っているのは、北九州だけですよ。だから、評価委員会からもこういった特色を活かしたプログラムを期待されていますね。
小園: 例えばどういった特色があるのでしょうか?
原口: 例えば、日本語教育は3大学合同で行っていますし、また、現在、「情報」と「環境」の2つの専門コースを設置していますが、情報は3大学の学生が、環境は九州工業大学と北九州市立大学の2大学の学生が一緒に学んでいます。別の大学の先生や企業の方の講義を一緒に聴いて、まるで一つの大学・一つのクラスにいる雰囲気で皆さん勉強していますよ。

小園:合同の企業講義の調整などはFAISがするんですか?
原口: 事業のカリキュラムは大学とコンソーシアムに参加した企業が一緒に作成し、企業の講義の日程などは大学の授業との合間を見ながら大学とFAISで調整しています。この日程調整がなかなか大変ですが、留学生はびっしり詰まった日程の中でも懸命に勉強しています。見ていて感心しますね。
原口: プログラムについて紹介しますと、本プログラムは主に4つに分かれています。
一つ目は「産学連携専門教育」で、情報と環境分野で企業が必要とする内容のプログラムを卒業するまでに事前に勉強してもらうもので、企業による実践的なプログラムとなっています。
二つ目は、「ビジネス日本語教育」です。留学生は皆さん専門分野では優秀な方が多いのですが、やはり日本企業に就職させるために徹底的に日本語教育を行っています。日本語教育は北九州市立大学が核となり、それぞれ学生の日本語レベルにあわせて、きめ細やかに教えています。
三つ目が「日本ビジネス教育」です。これは日本企業の企業文化や日本型経営等を企業の講師や大学の先生に教えてもらいます。
四つ目は「インターンシップ事業」で、大手からベンチャー企業まで様々な企業にご協力いただいています。この事業は企業と留学生がお互いに知ってもらうことが重要ですので、積極的にインターンシップに参加するよう学生に働きかけています。手をあげて下さる企業さんがいらっしゃったら大いに歓迎します。

小園: 現在はどういった国から何人の学生が学んでいるんですか?
原口: 平成19年度に受け入れた第1期学生は12名です。中国からが9名で、韓国からが3名でした。4月入学者の9名はこの3月に卒業ですが、全員日本企業に就職することが決まりました。気持ちとしては地元に就職することを期待していますが、今回は地元が2名、その他は関東方面での就職でした。
小園: 留学生の反応はいかがですか?

原口: 大学だけの講義とは違って、企業の皆さんの話を直接聞けることは刺激になっているようです。特に、地元には優良な中小企業が多くありますので、知っていただくチャンスです。実際に講師に来ていただいた中小企業の経営者の考え方に感銘を受けた留学生がおりまして、その会社に就職しましたよ。「大手企業もいいけど、中小企業では総務や会計や営業なども全て勉強できるよ」と常々彼らに言っています。
小園: 企業側の評価はいかがですか?就職の話が出ましたが、企業の皆さんにとって留学生を採用するメリットは何なのでしょうか?

原口: おかげさまで、高い評価をいただいています。ただ、まだまだ本プログラムの知名度が低いので、就職の際には、FAISで、アジア人財資金構想の履修生だと言う証明を出しています。アジア人財の留学生は選考の際も成績優秀者で採用されていますし、ハングリーな精神や発想の豊かさは日本の学生と比べても高いものがありますので、大いに活躍すると確信しています。
FAISとしては、地元企業の皆様に本プログラムをご理解いただき、できるだけ多く就職させたいと思っています。そういった意味では、今後もっと地元の企業にこのプログラムのことを知っていただかなくてはと思っています。一方、首都圏の企業からは、北九州市で良質な海外高度人材を供給できることに対して評価もいただいています。
小園: 本事業は時限事業と聞いています。国からの補助終了後はどのように展開していく予定ですか?
原口: 本事業は4年間の事業で、平成22年度以降は自立化が求められます。学術研究都市にはアジアから多くの留学生が来ていますが、せっかくの優秀な人材をこれからも日本企業に就職させることが重要だと思っています。自立化には、企業の方々による寄附講座設置等のやり方もあると思います。今は景気が悪いので少し難しいかもしれませんが、長い目で見れば優秀な人材を確保することは企業にとって重要なことだと思います。きっとご理解いただけると思っています。
小園: 最後に、これからの意気込み等あればお願いします。
原口: どこの国の人であれ優秀な人材というのは大事な資源です。これをほっとく手はありません。学術研究都市内の一般の留学生の場合、日本で就職できるのが三分の一、三分の一が本国に帰るそうです。留学生を日本に定着させるには、地域のふれあい等を通じて、日本の文化や習慣を知ってもらい、日本を好きになってもらうことだと思います。これから、本プログラムでも、講義や企業視察以外に、地域交流プログラムなども充実させていきたいと思っています。
小園: これからのご活躍を期待しています。どうもありがとうございました。

財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)

〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2番1号
電話:093-695-3111  FAX:093-695-3010
(アジア人財資金構想)  http://www.ajinzai-sc.jp/
(FAISアジア人財資金構想) http://www.ksrp.or.jp/asia/html/index.html

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